代表理事ご挨拶

いま、世界のGNPは中国が台頭し、世界経済はアメリカと中国の二大国時代に突入した感があります。しかし、それにもかかわらず、日本の文化は世界の人々から熱い視線で注目されています。

ルック・イーストという言葉は、マレーシアのマハティール首相が1981年に提唱したものですが、日本人の倫理観、忠誠心、労働規律、労使間の協調など、いわば日本人の精神に学ぼうとする思想であると言ってよいと思います。

このルック・イーストの思想は、1990年以降にその日本の経済が大低迷時代に突入してアメリカや中国の後塵を拝するようになっても、現在に至るまでじつに40年近くも、変わることなく、マレーシアの人々のこころに根づいています。

また、このルック・イーストに見られるように、日本の精神と文化に期待しようとする潮流は、マレーシアから世界に発信されて喚起されたケースも含めて、世界の多くの国々で自然発生的に生まれ、より強く大きくなろうとしています。2014年に、インドのナレンドラ・モディ首相は「ルック・イースト政策の中心に日本がある」と述べています。

いま期待されている日本人の精神とは、2万年にわたる縄文文化から形成されてきた愛と和の精神であると思います。それは、和を尊び、周囲との協調と平和を好み、忠誠心を持ち、自然とも調和して生きてきた精神です。まさにマハティール首相がルック・イーストで求めた精神ではないでしょうか。

わが財団理事長水上治が述べているように、欧米型の医療は医師が患者を対象物として捉え、ある意味一方的に病巣を切ったり貼ったり、病原をせん滅しようとします。自然を征服するのです。しかし日本人は日本人の精神を基にして、病巣をえぐり取るのではなく、人体という小宇宙を大自然という大宇宙と調和させることによって、自然治癒力で病気は治る、という医学体系を築いてきました。

しかるに、日本では明治以来いまだに西洋医療が医学界の主流をなし、日本的医療は蔑ろになっています。いまこそ医療の分野においても、ルック・イーストを再認識する必要があるのではないでしょうか。

われわれ一般財団法人国際健康医療研究所は、水上治理事長を中心として日本型医療を確立し、新たな日本型医療によって世界の最先端医療とアウフヘーベンし、世界のルック・イーストに応えて世界へと発信して参るものです。まさに日本の文化と日本型医療は世界のための文化と医療でなければならないのです。

代表理事 大谷雄策